快眠を追求する女性ひとり旅/出張ユーザーにとって、ホテル選びで意外に見落とされがちなのが「ベッド幅」や「枕」「ベッドメイク」「睡眠可視化サービス」といった“寝具まわり”の細部です。 あるアメリカの学術論文によると、「寝具・枕・リネンの不快さ」が睡眠満足度を下げ、それがホテル全体の満足度にも響くことが示されており、それゆえ各ホテルごとにこだわりもすごい。。。
この記事では、チェーン別にベッド幅の目安を整理したうえで、ベッドメイク形式の違いや、睡眠をサポートするホテルの実例までを押さえ、予約前に知っておきたい快眠知識をまとめます。
ベッド幅/チェーン別の「実運用」目安
ベッド幅は表記上「シングル=約97cm/セミダブル=約120cm/ダブル=約140cm」ですが、実際のビジネスホテルでは“シングルルームでもセミダブルサイズ以上のベッド(120〜140cm)が入っている”ことが多く、広めの幅が標準化しつつあります。以下は公開情報に基づく傾向(店舗差ありなので目安とお考えください)。
| チェーン | 1名利用時のベッド幅 傾向(例) |
|---|---|
| アパホテル | シングルルーム(広さ12~14㎡)で120cm ダブルルーム(広さ12~14㎡)で140cm ※ツインルームだと幅110cmが標準 |
| 東横INN | チェーン方針として「シングルルームでもダブルサイズ(140cm)採用」を打ち出し。 |
| スーパーホテル | 店舗により120cm幅もあるようだが、140〜150cmのワイド幅を特徴として案内するケースが多い。 |
| ドーミーイン | 店舗により120cm/140cmが混在。予約ページで「ベッド幅」明記の確認が安全。 |
| リッチモンド/コンフォート 等 | 「ワイドダブル(150cm級)」やシモンズ等の快眠寝具を強調するプランが多い。 |
| 東急ステイ | 140cm~明記の客室が多い。 |
上記のホテルであればほぼ120cm以上のゆったりベッドで自宅のシングル幅ヘッドとは違った非日常的な快眠体験ができるはず。
ベッドブランド/特徴と採用ホテル例
日本のホテルでよく見る代表ブランドを、寝心地の傾向・技術の特徴・公式に確認できる採用例と一緒に整理しました(店舗は部屋タイプにより異なるため、予約ページの「ベッド幅/ブランド」表記で最終確認を)。
| ブランド | 寝心地の傾向・技術 | 採用ホテル例 |
|---|---|---|
| Simmons(シモンズ) | 代表技術「ポケットコイル」。体圧分散とモーションアイソレーションに強み。中〜やや硬めのラインが豊富。 | ・シモンズ公式の導入ホテル一覧 Simmons 導入ホテル一覧 |
| Serta(サータ) | ホスピタリティ専用ラインを展開。耐久性とサポート性(ゾーニング・ジェルフォーム等)。感触は中〜やや柔らか寄りの設定も。 | 主なホテルとして東急ステイ、コンフォートホテル東京など ・サータ(日本)公式:導入ホテルの声・事例ページ サータ 導入ホテル一覧 |
| Sealy(シーリー) | Posturepedic系の支持性と中心部補強が特徴。中庸〜しっかり系。高級ホテルの導入事例も多い。 | ・相鉄フレッサイン |
| airweave(エアウィーヴ) | 独自樹脂メッシュコアで高反発&通気性。モジュール入替で硬さ調整できるシリーズも。 | 品川プリンスのようにエアウィーヴフロアがあるホテルも。最上階やコンフォートルーム等に部分的に導入しているホテルが多い ・東京都の導入ホテル(公式) |
| (参考)APA「Cloud Fit」 | Sealy社と共同開発したアパ独自開発のオリジナルマットレス。均等に体重を分散し、柔らかく体を包み込む安心感が特徴。柔らかめ。 | Clout fit(クラウドフィット)公式 ※一部客室には導入されてない場合もあるので注意 |
※上記は一般的な傾向で、同一チェーンでも、館・部屋タイプによりブランドやグレード(硬さなども含む)が異なる場合があります。
枕/ホテルごとの快眠工夫
ベッドマットレスと同じくらい「枕(まくら)」も快眠の決め手。肩こりや寝違えの原因にもなるため、各ホテルチェーンは「高さ・素材の違う枕を複数導入」したり、「独自開発の枕」を採用したりと差別化を進めています。
| チェーン/ブランド | 特徴・種類 | 備考/公式情報 |
|---|---|---|
| スーパーホテル | ロビーやエレベーターホール横に「枕BAR(まくらバー)」を設置。 高さ・硬さ・素材(羽根・低反発・パイプ等)から好みの枕を選び、自室に持ち込む形式。 デフォルトでも「快眠計画」ブランドのオリジナル枕を客室に1つ常備。 | 選べる枕|スーパーホテル公式 |
| アパホテル | 独自開発の「オリジナル3Dメッシュまくら PRIDE FIT」を全館標準採用。 表面は通気性の高いメッシュ素材、内部は頸椎を支える立体構造。 硬さは中程度で、うつ伏せ・仰向けのどちらでも対応。 | オリジナル3Dメッシュまくら「PRIDE FIT(プライドフィット)」| 公式 羽毛とパイプを採用した「ADJUST FIT」の2種類が標準装備 |
| ドーミーイン | オリジナル枕を採用。首から後頭部に隙間なくフィットする枕を目指して開発。 他に複数の貸し出し用の枕を用意している店舗も多いのでフロントで要確認。 | DOMINISTOREオリジナル枕 |
| 東横INN | プレミアムプラスルームではエアウィーヴのマットレスと枕を用意。 加えて、睡眠解析ルームではセンサーに干渉しない専用枕も導入。 | 東横INN 公式サービス案内 |
| リッチモンドホテル | 店舗により配置されているものは異なる。ただし「低反発」「羽毛」「羽毛+そば殻」「そば殻」などからフロントで貸し出しできる店舗が多い模様 | 公式の統一したアナウンスはみつけられませんでした リッチモンドホテル公式 |
| レム(remm) | 「快眠をデザインするホテル」をコンセプトに各部屋にレムオリジナル「快眠機能枕」と、「低反発枕」あるいはテンピュール社製枕を用意。 | レムオリジナル「快眠機能枕」| remm 公式 |
| 東急ステイ | 長期滞在向けの快眠仕様。低反発タイプ+羽根タイプを常設する店舗が多く、 さらに「抱き枕」「追加まくら」もリクエスト可の店舗も。 | 東急ステイ公式 |
宿泊レビューでも「枕が合うかどうか」は満足度に直結します。
選べるタイプ(スーパーホテルなど)・複数種類常設(リッチモンドなど)・独自開発(アパ)など、自分の寝姿勢に合ったホテルを選ぶと快眠率がぐっと上がります。
ベッドメイク/デュベスタイルとは?
予約サイトをみると時々「当ホテルは全部屋デュベスタイルを採用しています」などの記載がありますが、デュベスタイルってなに?と思われた方も多いのでは?
デュベ(duvet)スタイルは掛け布団(羽根布団)本体をカバーで包み込むスタイル。これに対して従来型であるスプレッドタイプは体の上に一枚シーツを敷き、毛布やベッドカバーを重ね、顔回り部分のみシーツを毛布やベッドカバーの上に折り返しています。
| デュベスタイル | スプレッドタイプ(従来型) | |
| 方式 | 羽根布団をカバーで包み込みスタイル | アッパーシーツの上に毛布やベッドカバーを置き、顔回り部分のみシーツを上に折り返す方式 |
| 特徴 | 利用ごとにカバーを全部取り換えるため清潔。 交換に時間がかかる。 | シーツは取り換えるが、ベッドカバーは都度取り換えない。 デュベより短時間で交換できる。 ベッドメイクの仕上がりがキレイ、デザイン性が豊か |
| 使用感 | ふんわり体を包み込むような体感が得られる。足元のみマットに挟み込む(=横は挟み込まない)ことが多いのでゆとりがある。 | パリっとした仕上がり。足元+左右もマットに挟み込むため、きちんとタイトな寝心地。 |
もともと高級ホテルで多かったですが、ここ数年でビジネスホテルでも多くのホテルが全室デュベスタイルを採用しています。ちょっと古めのホテルに泊まる際には記載のない場合は確認したほうがいいかもしれません。
余談ですが、ベッドの足元に掛ける細長い布(スカーフ状)はベッドスロー(ベッドライナー)と呼ばれるものです。見た目のアクセントやスーツケース・小物置きの汚れ防止が主目的で、保温や寝心地の向上は限定的。デュベ運用のホテルでも装飾として使われることがあります。滞在中に気になる場合は外してOK。
もっと眠りにこだわる/「眠りを可視化」できるホテル
東横INN「すいみんPJ(睡眠解析ルーム)」
ベッドに寝るだけで非接触センサーが体動や呼吸等を測定。結果はアプリで確認でき、宿泊のたびにデータが蓄積されます。
公式:睡眠解析ルーム|東横INN(案内・対象ホテル) / サービス特集ページ
参考リリース:KDDI×東横INN 提供開始(2021/9/10)。
ナインアワーズ「9h sleep checkup」
カプセル内のセンサーで睡眠を測定し、客観レポートを提供するプログラム。東京では赤坂、水道橋、浜松町、ウーマン新宿、品川駅 for menで利用可能。
公式トップ内案内:9h nine hours 公式サイト(“sleep checkup”紹介)
まとめ
- まずは事実:寝具・枕・リネンの不快感は睡眠満足を下げ、そのままホテル全体の満足度にも影響します。だからこそ、写真映えよりも「ベッドまわりの実情報」をチェック。
- 幅は快適さの土台:ビジホでも120〜140cmが主流化。横向き寝・寝返り派・PC作業派は120cm以上が狙い目。予約ページのベッド幅(cm)は必ず確認。
- 寝具の仕上げ:デュベ(布団+カバー)は軽く体に沿いやすく、カバーを交換しやすい分、清潔面でも有利。従来のスプレッド(アッパーシーツ)派は、そのタイト感が好みかを想像して選ぶ。
- 枕で仕上げる:「選べる枕(例:スーパーホテル)」や「独自まくら(例:アパ)」など、高さ・硬さの選択肢があるホテルは失敗しにくい。2種類以上常設の客室ならなお安心。
- 可視化で納得:眠りをデータで確認したい人は、東横INN「睡眠解析ルーム」や、9h「sleep checkup」のようなプランを活用すると、滞在の学びが残る。
■快眠チェックリスト
①ベッド幅:120cm以上(できれば140cm)/②ベッドメイク:デュベ表記の有無/③枕:選べる or 2種類以上常設 or 独自まくら/④静けさ&遮光:立地・防音・カーテン/⑤可視化(任意):睡眠解析プランの有無。
女性ひとり旅や出張で「翌朝のコンディション」を最優先にするなら、幅120cm以上+デュベ+自分に合う枕をまず基準に。そこへ静けさ・遮光・可視化を足せば、“ただ泊まる”を“よく眠れる滞在”へアップグレードできます。



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